悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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囚われた国家

ネタバレしています。

 

 

 

 

 

 

Amazonプライム・ビデオにて鑑賞

 

 前半はかなり地味で抑圧された雰囲気と閉塞感が凄かったですが、中盤以降、それがちょっと崩れて、後半はペース配分を上げたせいか、前半の丁寧さがなくなったというか、ちょっとテイストが変わったところに少々戸惑ったというか。最後に全てが収束していくような展開はよかったですが、やはり地味なので盛り上がりはなかったですね(笑)。

 一言で言えば、なんか凄く喉が乾くような映画でした。それも、暑い中でカラカラに喉が乾くという感じではなく、水を飲んでも飲んでも喉の渇きが癒せないというような感じの渇き方というか。

 ジョン・グッドマンがあの体型で走ったりさせて大丈夫だったんだろうか。私も似たような体型なので、別の意味で不安感というか恐怖がありましたよ……。年齢も年齢ですし。

 劇中の登場人物の間抜けな行動を描写することで、本当に作戦を成功させたいのかって疑問符がついてしまって、中盤以降なんか乗れなくなってしまったんですが、実はそれも作戦のうちっていうのには騙されましたね(劇中的にも作劇的にも)。うん、丁寧に伏線というか、情報は出されていたのに。

 宇宙人に侵略されてるのに、描写される人類の暮らしは今と変わらないというのはわざとなのか、単に描写が下手なのかよく分からないのはこの映画の弱点だと思います。地球の資源が搾取されているとか、色々と侵略されて支配されているといった情報は提示されるのですが、抑圧された雰囲気や閉塞感はあるのに、どうも侵略や支配されているといった表現に直結してなかったように思います。

 

あらすじ(以下ネタバレしています)

 宇宙人に侵略された地球は、その宇宙人が統治者として支配していますが、一応表向きはこれまでどおり普通?の生活が送れるような形で9年が経過しました。勿論、宇宙人のGPS(つーか虫ですw)を体内に入れられて監視されながらですが。

 宇宙人の目的は地球の地下資源を搾り取ることで、地球が用無しになればさようならという、惑星資源搾取型です。

 シカゴ・ピルゼン地区出身で、シカゴ市警のテロ対策司令官であるジョン・グッドマンは、宇宙人との戦争終結の時に、宇宙人の襲撃で相棒だった警官を殺されてしまいます(映画の冒頭です)。その警官の息子二人も成長し、幼い頃の経験からかテロ活動に加担していました。特に兄貴はテロ界隈では有名人のようです。

 ジョン・グッドマンは表面的には元相棒の息子達を気に掛けているように見せながらも、自身の保身も含めてテロ組織を壊滅させようとしているのかと思いきや、実はテロ組織のメンバーは、旧来からのジョン・グッドマンも含めた地元の仲間達(家族ぐるみのお付き合い)で、その仲間達で決起し宇宙人に蜂起するために9年間かけて活動し、一番宇宙人の中心に近付ける可能性のあるジョン・グッドマンに計画の全てというか最後の一振りを託していたのでした。そう、相棒の息子達も要は捨て駒(笑)。裏では結構助けてるんですけどね、死なせない程度に(爆)。

 そして、ジョン・グッドマンはその地区でそれなりのポジションの宇宙人と唯一直に会える役職(シカゴ市警本部長)に出世し、宇宙人への報告の機会を利用して、宇宙人と共に爆死するのでした。全てはその計画のためでした。それがきっかけとなったのか全米各地で人類の反撃が開始されましたという紹介で映画は終わりです。

 悪くはない映画ですが、何度も書きますが地味過ぎるのが観る人を選んでしまう作りになってしまっているのが残念というか。