悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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シャドウ・イン・クラウド

ネタバレしています。disってはいないでしょう。

 

 

 

アマゾンプライムビデオにて鑑賞

 

クロエ・グレース・モレッツの不安げな雰囲気や仕草が、映画に不穏さと緊迫感を与えていたと思います。終盤以外は画面上にはほぼクロエ・グレース・モレッツ一人だけが映り、彼女の演技と他の俳優の音声だけで、こういうモンスター・パニックものの映画を作るという試みは成功したと言えるのではないでしょうか。

 テレビの深夜に放送されているのを偶然に観て、「ああ、面白かった映画だったよな」と記憶の片隅に残る、そんな映画だと思いました。

 時間もそれほど長くなく(1時間半もないくらい)、テンポもよく、中盤まではクロエ・グレース・モレッツ演じる主人公の素性と、チラチラっと出てくるモンスターと、正体不明(つっても劇中では日本軍ってハッキリ言ってるけどw)の戦闘機の要素を、軍の貨物輸送機の銃座という密閉空間という舞台装置の中での絵面だけで引っ張り、中盤以降、主人公の素性と行動が判明して以降は、モンスター&零戦との戦いという二面をうまく融合させていたと思います。

 クロエ・グレース・モレッツ演じる主人公は、結婚相手がDV野郎で、そのまま第二次大戦に突入したので後方支援兵(なのかな?)として従事しますが、そこで今回の舞台となる軍の貨物輸送機にも搭乗していた兵士と不倫関係になります。

 その兵士は主人公が人妻だったことを知り去っていきますが、主人公はご懐妊しており、そのまま生みます。ところが、それがDV野郎の配偶者にバレたか何かで勤務先の駐屯地までやってきて、かなり激しい暴力を受けて、このままじゃ駄目だと、生まれたばかり(だよね)の赤ん坊をカバンに入れて、軍の命令書とかをパクって貨物輸送機に乗って国外(南方の国だったような)に逃げようとします。

 貨物輸送機の面々は主人公を怪しいと思いつつも、時間もないことから乗せて離陸。途中、モンスターがいるという主人公の報告を訝しがりながら、日本軍の戦闘機を撃破した主人公を受け入れるムードになりますが、機長が軍本部に問い合わせたところ、主人公の素性が判明。カバンも強引に開けられ、中身が赤ん坊だったことがバレ、その父親が搭乗している兵士の一人ということも判明します。

 そんなタイミングで、モンスターが貨物輸送機のエンジンとかを破壊し、更に零戦が攻撃を仕掛けてきます。搭乗員が次々と死んでいくなか(ほとんど零戦の攻撃です)、赤ん坊を守りたい一心で主人公が八面六臂の大活躍。モンスターを地上に落とし、零戦も撃破します。

 エンジンがぶっ壊れ、ボロボロになった貨物輸送機はなんとか不時着し、一件落着かと思いきや、モンスターは生きていて赤ん坊が入ったバッグを奪いますが、すかさず主人公が取り戻し、モンスターとタイマン勝負の末、ボコ殴りでぶっ殺します。

 最後は主人公の授乳場面と、主人公の顔アップで終了です。

 モンスターとのラストバトルで、クロエ・グレース・モレッツがヒットガールっぽくなってタコ殴りにしてぶっ殺す場面は面白かったです。いや、ここまで戦えるんなら、DV野郎の配偶者ともやりあえるだろうというツッコミは誰でもしてしまうと思いますよ(笑)。映画的には、主人公がこれで独り立ちした、自立した、子供(赤ん坊)を守るための覚悟ができたという描写なんでしょうけどね。

 モンスターがそれほど大きくなくて、細くてしょぼくて、顔も怖いよりも愛嬌があるような感じなので、そこはどうなんだろうとは思いましたが、全体的には思った以上に楽しめた映画でした。