悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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エッジ・オブ・トゥモロー

ネタバレしています。おそらく、disってはいません。

 

 

 

アマゾンプライムビデオにて鑑賞

 

 アイアンマンというよりメタルマンにインスパイアされたようなパワードスーツが登場する冒頭は、アサイラム映画にお金と時間を掛けましたという感じですが、実際には硬派なドラマとアクションが目白押しですし、ルイス・ファンさんが主人公の映画って初めて観たかもしんない。

 研究所とかSFっぽい部分は前述のとおり、アサイラム映画にお金を掛けた感じというか、一昔前のC級(Z級?)映画っぽくチープなのですが、なんかそこがいいというか、いい具合に映画の雰囲気を象っていたと思います。

 アクションはカンフー等を軸に、現代的な風味を取り入れた凄いアクションで、これだけでもアクション映画好きな人にはオススメできます。重さと痛みを感じるアクションといいますか。

 ストーリーはありきたりながらも硬派な展開で、アクションを彩るという役割に徹していますし、無駄な長い人物描写もほぼなく、凡庸ながらも邪魔にはなっていないと思いました。

 要人警護(だよね)の隊長である主人公は、エネルギー開発に関係している会社の社長(隊長の娘さんにプレゼントを用意するくらいの人なので、多分いい人、人相はそんな感じじゃなかったけどw)が、既存のエネルギーが脅かされるということから、既得権益に絡む関係者から命を狙われているらしく、とある会合に無事に出席するためにチームを組んで警護にあたっていました。しかし、ホテルから会場へと移動しようとしたところを襲撃されてしまいます。

 部下をほとんど殺されてしまった主人公は、なんとかテロリストも撃退し社長も助けることができて生き延びますが、この仕事を最後に退職します。家では配偶者と娘がそんな主人公の心の拠り所でしたが、襲撃を阻止されたテロリストから逆恨みされ、配偶者を爆弾により目の前で死なせてしまいます。娘も爆発に巻き込まれ、なんとか命は取り留めましたが、脳と足に障害を抱えることになり、脳の障害は一刻も早い手術が必要という状況でした。そのことが大きなキッカケとなってPTSDとなり、薬を常用するようになります。

 主人公は電気工事士としての仕事でなんとか生活しながら、娘の手術費用も捻出していかなければいけなくなりましたが、そのとき、仕事終わりにパワードスーツ開発の博士の助手の女性がレイプ魔に襲われそうなところを助けます。

 助手はその御礼に主人公の娘にプレゼントしたり、突然倒れた娘を的確な指示で蘇生させたり、娘の手術費用を代わりに出したりします。そして、主人公の経歴を知った助手は、自分達の会社の警備員にならないかと誘います。

 手術費用を出してもらったことに恩義を感じた主人公は、最初は断ったその誘いを受けることにします。実はそれは警備員ではなく、パワードスーツの装着者に適合するかどうかのテストでした。

 冒頭で装着者がどうとかこうとか、なんか操る系のことを言ってたので、会社の都合のいいように操れる人物を探しているようだったので、この場面では不穏な空気感を勝手に感じ取っていました。

 主人公はVRで行われる人質解放テストを受けますが、その人質が亡くなった配偶者だったので(ここは悪趣味ですなw)、もうこんなテストは受けないって装置を取り外します。そのときに、テロリストの襲撃が発生しました。主人公はなんとかその場から逃げることができましたが、研究員や職員の皆さんは結構殺されてしまいます。

 テロリストは博士や助手達を人質にし、博士に研究成果のデータを要求します。ただ、博士は意地を見せてデータを抹消します。博士、凄いよ(まぁ、この英雄的行動には秘密がありますがw)。静かに切れたテロリストのリーダーは博士を射殺し、人質も皆殺しにしようとしますが、助手がデータの抹消を止められるので人質は解放してほしいと交換条件を提示します。

 テロリストのリーダーはその条件を飲み、助手は折角博士が命を賭して守ろうとしたデータの抹消を止める作業を開始します。

 一方、主人公はPTSDに苦しみながらも、テロリストを倒していきます。PTSDからか、テロリストを屠ることまではせず、テロリストが行動不可に陥ったところでトドメはさしてはいません。これがあとに響くことになるのかと思ったらそうじゃなかったぜ(笑)。あ、パワードスーツ装着者としての適正検査には影響したんだろうか。

 助手はデータ抹消を止め、結果、テロリストのリーダーはデータを入手します。そして、約束なんてテロリストが守るわけないだろって感じで人質達を皆殺しにしようとしますが、主人公からテロリストの仲間(このテロリストチームのNo.2ポジの人です)の命を引き換えに人質を解放しろと要求されます。テロリストなのに卑怯だ何だと言いながら、No.2ポジの人との交換要求に応じます。

 が、流石テロリストのリーダー。そこは作戦で主人公を自分の元におびき寄せたいために、No.2との交換要求を飲んでいたのでした。あっさりとNo.2ポジの人を射殺し、主人公を殺そうとしますが、主人公の方が上手で、人質を逃されてしまいます。

 その際の爆発とかでゴチャゴチャありましたが、主人公は助手の助けてという声を聞き探します。ここから、なんか状況というか、展開が怪しく(映画的な品質の低さ的なものではなく)なってきます。

 地下道でテロリストのリーダーに捕まっている助手と対面します。助手を人質に取られていたため、テロリストのリーダーに対し後手に回ってしまい、PTSDの発症も絡み、助手はテロリストのリーダーに鉄棒でボコボコに殴られ、あれ、死んだのかなという感じになりました。

 そこでやっと主人公は覚醒し、テロリストのリーダーと一進一退の攻防を続けながら、最後はテロリストのリーダーが持っていた手榴弾の栓を抜き、自分がリーダーに覆いかぶさるようにして、助手に娘のことを託し、一緒に爆発するのでした。いやいや、死にそうになっている助手に娘を託すっていうのもどうなのよとは思いました。

 主人公が目を覚ますと、周りはにこやかな(気持ち悪い笑顔ですわ)職員達に囲まれています。爆発からなんとか一命を取り留めた主人公は、パワードスーツの技術により強化されましたっていう、もろメタルマン的というかロボコップ的な感じで生き残ったのかという演出ですが、主人公は五体満足で、実はずっとVRでのテストが続いていたのでしたというオチです。そりゃ、博士も自分の命に代えてもデータを守ろうとできるわけですわ(笑)。

 普通はよくも騙したな的な感じになりますが、主人公は嬉しかったのか、助手を抱きしめて、それを見ている周りの職員達も苦笑いしながら、娘の手術も無事成功した場面となり、よかったよかったという空気感が醸成されます。

 主人公はパワードスーツの着用者になり、テロの鎮圧とか、災害救助とかに活躍するのかなっぽい場面で終了です。主人公はお人好しっぽかったので、助手とかにいいようにこき使われそうな感じです。結局、いいように騙されて唆されて使われてるだけですよね。

 なんか、TVシリーズの第一話を映画で作りました的な終わり方でした。パワードスーツは冒頭と、最後の場面しか出てきませんし、活躍なんて勿論しません。それはそれで残念ではありましたが、肉弾アクションとかがよかったので、それで帳消しですかね。

 冒頭のパワードスーツのプロモ場面のところで、博士とかと話している人物が怪しくて、今回の黒幕とかかなと思ったら、これもそうじゃなかったぜ(笑)。以後、登場しませんし。単純に開発の成功を喜んで(まぁ、儲かるという算段もあるんだろうなという雰囲気ですが)いただけでしたね。

 一箇所だけある主観視点でのアクション(FPSゲームの一人称視点的な)は、チラッと挟む的な使い方なら効果的かと思いますが、一つのアクション全てをそれでやられると私は面白く感じませんでした。

 主人公がPTSDの薬を戦闘中に落とすという場面は、これは何かあとで伏線があるのかなと思っていたのですが、実はPTSDを薬に頼らずに克服しようとしている演出だったと思われます。視聴者に対してはVRの中の出来事ですよっていう示唆だったんでしょうね。VRテストの前にも克服していくことが大事とか言っていたので、主人公に合わせたテスト兼治療方法だったのでしょう。

 時間もそんなに長くないですし、アクションもいいですし、テンポも早いので、サクっと観て楽しめる映画ではないでしょうか。アクション好きな人にはオススメの映画です。