悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

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ザ・コントラクター

ネタバレしています。disっています。

 

 

 クリス・パイン主演のアクション映画を鑑賞してきました。うーん、好みではなかったというよりも、なんでこんな映画になったの?って戸惑ってるというか。エンドロール中に真っ先に浮かんだ感想が、配給会社もこの映画の売り込みに苦慮したんだろうなってことです(苦笑)。

 重苦しい雰囲気作りは効果あったと思いますが、説明不足や描写不足な部分が多いと感じました。また、淡々と進む展開がアクション部分とあまり相性がよくなかったなという印象です。冒頭、丁寧に主人公の現状を描き過ぎたのが、アクションを主体とする映画なの?という疑問を観客に投げかけてしまっていたように思われます。役者さんやアクションのほか、特に銃撃戦の音作りはかなりよかっただけに、どうしてこうなったという思いが強いです。

 以下、物語をつらつらと書きます。いつものとおり、無駄に長くなっております。

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 米国軍隊の特殊偵察部隊(だったかな)の一等軍曹だった主人公は度重なる戦いで左膝を故障しており、膝の痛みを和らげるため(だったかな、何度もすいませんw)に禁止薬物(ステロイドとか)を使用していたのが軍にバレて、新しい司令官になった中佐の軍の刷新(というか部隊の刷新かな)の犠牲となり、退職金も恩給も出されずに急に除隊させられました(これはこれで訴えたら勝てるレベルだと思いますけどね、でも訴えたら映画が始まらないw)。

 主人公一家(配偶者一名、息子一名)は身の丈にあった生活をしていないのかローンの返済に追われており、いきなり収入源が絶たれた主人公は苦悩します。

 主人公の経歴から民間軍事会社からは引く手数多なようですが、何故か戦友で元上官が働いているキーファー・サザーランドが運営する見るからに胡散臭い会社にお世話になることにし、いきなりベルリンへ元上官をリーダーとしたチームで出張します。まぁ、報酬よりもやりがいが大事だったということでしょうか。いや、返済が大事だろ、とは言ってはいけません。

 ベルリンでの任務は、アルカイダと繋がりのある資産家の援助を受けて生物兵器を作っている科学者を殺し、データを奪い、研究施設を破壊するというものです。途中までは任務はつつがなく進行しますが、脱出して逃亡地点に合流というところで科学者の救助にきたベルリン警察と鉢合わせになり、主人公と元上官以外は殺されちゃいます(つっても4人中2人は脱出したので御の字かな)。

 なんとか下水道に逃げ込み追っ手をかわす主人公と元上官の二人ですが、警察との銃撃戦で撃たれた元上官を緊急輸血して救ったりと色々とありながら主人公の膝がもうダメぽということで、先にデータだけを持って元上官だけが単独で脱出します。翌日、膝が少しマシになった主人公も脱出、指定されていたホテルへとなんとか逃げ延びます。

 約束の時間になっても連絡も何もない状況だったので主人公はキーファー・サザーランドに連絡します。ほんとはしちゃダメなんでしょうけどね。で、逃げ出すための場所を指定されますが主人公は半信半疑。着いたところで案の定、銃撃されます。いやー、主人公補正で銃弾が当たらないっていう映画を久し振りに観たように思いますよ(笑)。街中で近距離で仕留められない敵さん、腕が悪いをとおり越してます。

 襲ってきた一人は米国の海兵隊員でした。どうして?って、観てるこっちがどうして?だよw

 その海兵隊員を返り討ちにし屠りましたが、その海兵隊員が言うには救助の予定だったが、救助する直前に主人公を確認した報告した段階で射殺指令に変わったとのことでした。そんな急な真逆の変更指示にも律儀に軍人は従わないとダメなんですね。厳しい職場です。

 襲ってきた海兵隊員が現地での避難先、救援先として登録していた人物を海兵隊員の最後の言葉で知り、膝の怪我等を癒すため取り敢えずその人物に連絡を取る主人公。助けにきた人物も元軍人で、おそらく主人公と過去に似たような仕事をしていた為か米国に帰ることができなくなり、家族を残し自分の生存すら知らせることができないまま、ベルリンで13年も生活を続けているのでした。

 似た境遇からか主人公も元軍人を信用し、夕食時にぎこちないながらも打ち解ける空気を二人が醸し出してきて、ちょっと映画の空気も変わりそうなところで助けにきた元軍人が脳天を狙撃されて昇天。この場面はよかった。音の効果も抜群でした。

 なんとか、のこのこと元軍人の家に危機感なく押し入ってきた襲ってきた奴らをプロパンガス爆破作戦で返り討ちにし、米国に戻る主人公。ここはあっさりと飛行機で帰国できました。主人公が勝手に殺されたと思い込んでいた元上官はとっくに帰国していて、家族団欒してました。その光景を見て裏切られたと怒りに震える主人公。

 元上官を尾行し(見破られてましたが)、どうしてだと詰め寄ります。元上官も主人公が死んだと聞かされており、どうやら詳細は知らない模様です。ラスボスはキーファー・サザーランドだということで、何故か二人でかちこみます。元上官は過去にも主人公に助けられていたし、ベルリンでの件もあるからでしょうけど。

 特に盛り上がりもなくキーファー・サザーランドを屠ることに成功しますが、元上官も死亡。主人公は、家族のもとに帰ると家族にも危害が及ぶと元上官らに言われていました。主人公はその言葉を守り、家族を遠目から見守る存在となって映画が終了かと思いきや、おそらく息子に声を掛けており、そこで終了です。結果的には大金稼げてラッキーということでしょうか、主人公的には(計9百万ドルくらいの収入になったんだっけかな)。

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 以上が物語の内容です。これが重苦しい空気感の中で展開され、淡々とそれが描写されていきます。

 生物兵器と言われていたのは本当はインフルエンザウイルスのワクチンで、かなり画期的な発明のようです。それを使われると困る存在が米国政府を利用して存在自体をなくそうとし、米国政府経由でキーファー・サザーランドの会社に依頼が舞い込み、キーファー・サザーランドとしては主人公の元上官は手駒として残しておきたいから、主人公をスケープゴートにして丸く収めようとしたというところでしょうか。

 いやいや、それでも主人公を殺さないといけない意味が分からない。任務は成功とは言えなかったけど、データを持ち出すことには成功したし(実際にはバックアップデータがあり、それを知ってるのは今際の際に存在を科学者から明かされた主人公と、科学者の配偶者のみ)、主人公の元上官はそのまま救助されてたわけだし。

 秘密を知ってる者は最初から殺す予定だったということなんだろうか。でも、元上官は元々生かされる予定だった。それなら、元上官が最後にキーファー・サザーランドに主人公と一緒にかちこむ理由が弱くなってしまうような。まぁ、元上官もその事実を知らなかったとしたら、どうして主人公は殺されないといけなくなったのかの理由が、という堂々巡りになっちゃいます。

 あ、バックアップデータの存在は映画的には特にどうってことない扱いです。

 主人公が家族を大事にする理由は、主人公の父親も軍人で主人公を小さい頃から軍人にすべく育ててきましたが、父親が除隊後に家族の前から姿を消してしまったことがトラウマっぽく主人公の心に残り、自分は絶対に家族を見捨てないと誓ったからでした。

 少年時代の主人公の模様が何度となくインサートされますが、イマイチ効果はなかったように思います。また、主人公の父親も除隊後に主人公と同じような仕事をしているのかなという匂わせがありますが、特に大筋には影響はありませんでした。