悲しみの果てに、死者の群れをお願いします。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024©りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

演歌・オブ・ザ・デッド 公式サイト(2005-2024@りょんりょん) ※(主に)映画感想dis blogです。かなりdisってるので、不快になられた方にはお詫び致します。ごめんなさい。

アーカイヴ

ネタバレしています。シンプルにdisっています。

 

 

 

Amazonプライム・ビデオにて鑑賞

 

 テオ・ジェームスが主演だったのとSFものということで鑑賞したんですが、元々は「未体験ゾーンの映画たち」枠だったのか。知らなかった。確かに未体験の枠っぽい(笑)。

 

 日本が舞台ですが、全く意味はありませんでした。何故日本を舞台にしようとしたのだろう?ロケ地はハンガリーらしいです。ほんまになんで日本にしたんやろか。とんでも日本描写もほぼないですし。ヒロイン役のステイシー・マーティンは、ウィキペディアによると幼少時の数年間は日本に住んでいたそうです(日本語は話せないらしいけど)。それが理由で舞台を日本にしたのか、それとも舞台を日本にしているから彼女を起用したのか。って多分どちらも関係なく、偶然でしょう。

 

 本作における「アーカイヴ」とは、死んだ人の意識や記憶を一定期間データ?として保存でき、遺族らと計200時間通話ができるという仕組みで、なんでそんなことできるのかは劇中では詳細には説明されていなかったと思います。劇中でも偶然できたテクノロジーみたいな扱いだったような。主人公の意識の中の産物(要するに妄想w)ではなく、本作中の現実世界でも存在するという設定でした。

 

 舞台の時代は2046年頃です。そう先でもない近未来のお話で、普通にロボットとかもいるんですが、ではなんで主人公はそんなに複雑ではないと思われるロボット開発に苦戦しているのか、また開発したロボットというか、雇われ先に提出したロボットはそんなに性能がよくないようなものだったのか。そして、三年間の雇用期間という意味は?、というのがラストに繋げていく伏線なのですが、その辺りの処理をもう少し適切にしたらと思ったけど、わざと引っ掛かるようにしてたんですよね、そうですよね。そうだと言ってよ……。

 

 物語のネタバレですが、主人公と配偶者は主人公が車を運転中に事故に遭い(この時代は自動運転が主流です。そして、別の車が正面から飛んできてぶつかる事故って……)、主人公は身重の配偶者を残し死亡してしまいます。が、主人公は自分が死んだとは思っておらず、逆に配偶者が亡くなってしまったので、配偶者を取り戻したい一心で(事故前の二人の最後は少し険悪になっていたというのも大きな理由だと思われます)、自身の技能(ロボット工学?)とアーカイブに保存された配偶者の記憶を使って、配偶者をロボットとして蘇らせようとします。

 

 アーカイヴから奇跡的に配偶者のデータを取り出せた主人公は先ずはロボット1号機にデータをコピーしますが、精神年齢的には5歳児程度で腕がないタイプとなりました。続いてロボット2号機を製作しますが、精神年齢は16歳程度で、しかも見た目がロボットロボットしていて、主人公がそれを醜いと思っていることに心を悩ませる思春期全開タイプになってしまいました。

 

 主人公は1号機や2号機には内密で人間型の3号機を製作していくのですが、その秘密行為に2号機がヤキモキし、仕事の成果を出さない主人公に業を煮やした主人公の雇用先の上司(演じるのはローナ・ミトラでした、気付かなかった)はガミガミ言うという状況です。そして、配偶者の記憶を格納しているアーカイブにもそろそろ終わりが近付いてきていました。

 

 主人公は焦りつつも3号機を完成させ、やっと容姿的には配偶者にかなり近付いたロボットとなりました(レプリカントに似たような完成体です)。しかし、2号機の嫉妬も暴発し、入水自殺してしまいます。会社の秘密を漏らしたとかなんとかで、仕事場兼自宅に会社からは制圧部隊を送られてしまい、主人公達を追い詰めます。そこにアーカイブからの電話が鳴ります。主人公がそれに出ると、そこには配偶者の声と子供の声が聞こえます。そう、亡くなってアーカイブされていたのは主人公でした。というお話です。最後のオチはある程度予測がつきましたが、凄くガッカリ感があるというか。辛気臭い雰囲気が余計に増したというか。

 

 主人公が実はアーカイヴの中の人物であり、夢の中の主人公の感情?状況?を描いていると思われるので、所々で「おや?」みたいなものを感じるのは、演出的にわざとやっているのだと思います。それでも、主人公は酷い奴です。身勝手過ぎます。という部分だけが強く印象に残ってしまいましたね。

 

 こういったテーマって昔からよくあり、それを今の映像技術で焼き直したって感じがします。映像は綺麗でしたし、ガジェットもよかったのですが、もう少しなんとかならんかったかなというのが正直な感想です。

 

 ロボットの入水自殺の映像化って、史上初じゃないでしょうか。結構その予兆を映像で示していて、これはいいプロットだと思ったのですが、死体?もあっさりと引き上げられたという顛末で、劇中では軽く処理されてしまったのもなんともかんとも。

 

 ロボット(3号機の未完成状態時も含め)はCGではなく、最初のスター・ウォーズの時のように着ぐるみだったそうです。それは味があってよかったと思います。